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生前準備の基礎知識

ここでは、生前準備の基礎知識として、円満相続の準備、上手な遺言の利用方法、上手な贈与の利用方法について解説していきます。

円満相続の準備

相続では、遺産を巡る争いや、相続税の納付など、何かと問題が発生する可能性があります。
円満な相続に向けて、元気なうちに出来ることを準備しましょう。

詳しくは、円満相続の準備をご覧ください。

遺言の利用方法

残された家族や大切な人が、ご自身の遺産を巡って争わないために、生前にきちんとした遺言を作成しておきましょう。

遺言書の作成については、こちらをご覧ください。
遺言書の利用方法については、こちらをご覧ください。

贈与の利用方法

相続対策として意外に有効なのが生前贈与です。
現在、年間110万円以下の贈与は課税されず、申告も不要なため一番シンプルですが、それ以外にも各種の特例制度があり、上手に活用すればかなりの節税になります。

上手な贈与の利用方法については、こちらをご覧ください。

円満相続の準備

「うちの子供たちに限って、もめることはない」
そう考え続けて、何も対策をしなかったばかりに、ドロ沼の相続問題に繋がることは少なくありません。
むしろ、いま起こっている相続問題の大半は、こういったご判断が原因になっているかもしれないのです。
相続におけるトラブルが発生する原因は、相続人・被相続人・その他親族の言動や状況による、各相続人の事情や見解の差によるものです。

たとえば・・・
 ・相続財産の大半が不動産で、各相続人への分割可能な財産がない
 ・相続財産全体がつかめない(財産目録が無い場合や、不正確な場合)
 ・相続財産が相続人の予想を超えて多い、または少ない
 ・被相続人が特定の相続人に多額の贈与をしていた
 ・相続人に、後妻、養子、非嫡出子などがいる
 ・相続人以外の人が遺産分割協議に口出しする
 ・相続税が思った以上に発生してしまい、手元のお金が不足してしまう

いま、現時点では想像もつかないトラブルが、相続では発生してしまうのが現実です。
もちろん、相続人の方だけに原因があるわけではなく、ご自身にも考えもしなかったことが発生するかもしれません。
認知症になることにより、財産管理・処分の意思能力がなくなった場合、上記のような問題は、さらに複雑さを増します。

相続争いのデメリット

遺産相続争いは、親族間で取り返しのつかない不幸な結果を招きかねません。
それ以外にもこんなデメリットがあります。
 ・時間をいたずらに浪費する
 ・精神的にも体力的にも消耗する
 ・余計なお金がかかる
 ・遺産分割後にしなければならい手続きが遅れる
 ・分割を条件とする相続税法上の特典が受けられない
 ・相続人同士の関係自体が修復できない

相続争いをしている間に、時間もお金も精神も浪費する事になります。

ケース別相続トラブル予防法

■ 遺産の分け方に関するトラブル
→大半は、正しく遺言を作成し、執行すれば防げるとされています。
ただ、相続人の間では全く問題がなくても、ご自身の意思が全く反映されないようなケースも発生しないとは限りません。

遺言執行、死因贈与契約などを組み合わせるなど、いま置かれた状況をよく判断して、予防をすることが望ましいでしょう。

■ 納税に関するトラブル
→これまでの莫大な財産を、2,3代の相続税で半分にしてしまった・・・
なんて言うことは、日本において少なくありません。

遺産の分け方の次に重要なのが納税対策です。納税対策は専門家の力を借りたほうがスムーズです。
当事務所では経験豊富な専門家を紹介いたしますのでご安心下さい。

■ 相続税対策
→上記の納税対策とは違った観点で、やはり負担の大きい相続税をなるべく減らしたいという要望は年々増えています。

一般に、税理士が10人いれば、相続税の計算結果も10通りと言われるくらい、相続財産の評価は難しいのが現状です。
不安であれば、生前にやるべきことは多くあると言われています。

■ 認知症になったときのための対策
→最近話題の「オレオレ詐欺」のように、詐欺事件や悪徳商法では、高齢者がその被害者となっているケースが非常に多くあります。

認知症になった後、またなる前から、成年後見制度などを利用して、詐欺などにより重要な財産を失わないような対策をしておく方は年々増えています。

また、最近は財産管理委任契約や、ホームロイヤー契約など、認知症になる・ならないに関わらず、財産・契約保全のための手段がとられるようになりました。

遺言書必要度チェック

まだまだ一般の方には馴染みの薄い遺言書ですが、実は“遺言書を作成しておいた方が良かった”という代表的なケースが下記のように多く存在します。

一度ご自身の家庭環境に照らし合わせて、遺言書が必要かどうか検討してみましょう。
一つでも当てはまる方は要チェックです!

□ 子どもがいない
□ 相続人が一人もいない
□ 相続人の数が多い
□ 内縁の妻(または夫)がいる
□ 自分が死んだ後の妻(または夫)の生活が心配だ
□ 相続人の中に行方不明者がいる
□ 世話を焼いてくれた嫁(または婿)がいる
□ 障害をもつ子どもに多くの財産を与えたい
□ 家業を継ぐ子どもがいる
□ 遺産のほとんどが不動産だ
□ 自分でもどのくらい遺産があるかよくわからない
□ 再婚など、家族構成に複雑な事情がある
□ 隠し子がいる
□ 遺産を社会や福祉のために役立てたい
□ 相続に自分の意志を反映したい
□ 特定の人だけに財産を譲りたい
□ 推定相続人以外に相続させたい
□ 財産を予め同居している子の名義にしておきたい

遺言書でできること

法律的に意味のある遺言は、民法で下記の通り決められています。
もちろんそれ以外のことを書いてはいけないというわけではありません。

残された方のことを考えて「付言事項」として遺言者の思いを書かれることは、大変意味のあることではないでしょうか。

1)財産の処分に関すること

第三者への遺贈 お世話になった人など相続人以外の人にも財産を贈与することができます。
社会に役立てるための寄付 社会福祉団体や公的機関や菩提寺などに財産を寄付することができます。
また、財団法人設立のための寄付もできます。
信託の設定 信託銀行などに財産を管理・運用してもらうための信託設定をすることができます。

2)相続に関すること

法定相続分と異なる相続分の指定 法定相続分とは異なる相続割合を希望する場合に、相続人それぞれの相続分を指定することができます。
相続人ごとに相続させる財産の指定 相続人それぞれに、誰に何の財産を相続させるか指定することができます。
遺産分割の禁止 5年間遺産分割を禁止することができます。
生前贈与、遺贈の持戻しの免除 生前に行った贈与などは、通常相続から調整されることになりますが、遺言によってそれを免除することができます。
共同相続人間の担保責任の減免・加重 遺産分割後にその相続を受けた財産に欠陥があって損害を受けた時、相続人同士はお互いの相続分に応じて保障しあうことが義務となっていますが、遺言でその義務を軽減したり加重することができます。
遺言執行者の指定 遺言の内容を実際に執行してもらう人を指定することができます。

3)身分に関すること

認知 婚外の子を認知することができ、認知された子は相続人となることができます。
法定相続人の廃除
またはその取り消し
相続人を廃除したり、また廃除の取り消しができます。
未成年後見人、未成年後見監督人の指定 相続人に未成年者がいて親権者がいない場合は、遺言によって未成年後見人、未成年後見監督人を指定することができます。

上手な贈与の利用方法

相続と贈与どちらが得か?


生前贈与とは、被相続人が死亡する前に、自分の財産を人に分け与える行為です。

個人の財産は、各個人の意思により自由に処分できるのが原則です。
また生前贈与は、将来負担すべき相続税を抑えるという目的のために利用されます。

生前贈与の注意点


生前贈与の際の注意点として、次の4点を確認する必要があります。

1. 贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておくこと
2. 遺産分割トラブルとならないように注意すること
3. 贈与契約書を作成し公証人役場で確定日付を取っておくこと
4. 相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認すること

次に実際の生前贈与のやり方を見てみます。

贈与税は暦年課税で、1年間の基礎控除額が110万円です。

つまり、年間で110万円以下の贈与については課税されず、申告も不要ですので、一番シンプルな生前贈与の方法だといえます。

さらに、父母や祖父母など直系尊属からの贈与による住宅購入資金については、令和3年12月31日までは、「住宅取得資金の贈与税の非課税制度」により、さらに500万円(省エネ性又は耐震性を満たす住宅は1000万円)まで、令和3年4月1日~令和3年12月31日までは、300万円(省エネ性又は耐震性を満たす住宅は800万円)贈与税を課されません。

また、婚姻期間が20年以上の夫婦で、自分が住むための国内の居住用不動産やその購入資金の贈与の場合には、2,000万円まで認められる贈与税の配偶者控除を利用する方法もあります。

しかし、一般のサラリーマン家庭においては、生前贈与が相続税対策に役立つかどうかは定かではありません。

というのも、相続税には税金のかからない基礎控除や、配偶者税額軽減の他にも小規模宅地の特例などの優遇措置があるからです。

相続税対策として生前贈与を活用するには、まず被相続人の資産状況の把握が必要です。

生前贈与していても実は税金がかからない状況だった、ということになっては意味がありません。

もちろん、当事務所でも経験豊富な税理士をご紹介させて頂きますので、まずはご相談下さい。